お題:香
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- 先輩の車に乗ればいつだって強烈ななにかの香りがする
- かなしみが君からそっと還るとき落ちる涙に海の残り香
- 廃校に金木犀の香りだけ居残りをして移ろう季節
- 犯人を探すみたいに潔癖な鼻をも撫でる木犀の香よ
- いつまでも君の香りは覚えてる まだ薬指に違和感がある
- あのひとと同じ香水つけたのにさみしさばかりわかつてしまふ
- 薔薇の実の確かな形むせ返る甘い香りの意味の結実
- グラタンの香りがすればどのような喧嘩も止むのではなかろうか
- ○○の香草焼きか見たこともないくせに推す理由を述べよ
- 真夏日の給食前の教室に充満してる塩素の香り
- 店頭の期間限定シャンプーがキンモクセイで増えたストック
- 秋の風 今年も君に会えぬまま金木犀の香に捕まりぬ
- ゆっくりと溺れるような息苦しさ 潮の香りのしない都会は
- 昨日まで香りを放っていたはずの金木犀を踏む帰り道
- 線香はまっすぐ立って 墓守を継がない私を誰も責めない
- 金木犀匂いがしたけど見当たらない 君の匂いも好きだったなぁ
- 香辛料が歴史を狂わせたのを学んでるのに君に会いたい
- 削ぐほどに瑞々し香を撒き散らす牛蒡のようになりたき夕べ
- 潮の香を髪に纏わせ立つ君を夢見るように抱き寄せている
- いつまでも記憶の中に残ってる君の香りを忘れさせてよ
- 香水を贈りたいのは初めてだ金木犀の小瓶をえらぶ
- 振り返るあなたの肌から石鹸の香りがそっと漂って、夜
- リクエスト今夜作ってくれるなら鶏肉の香草パン粉焼き
- その煙草 初恋の人の香りして全て許してしまいたくなる
選歌した人
わかば☘️あをい谷まのんただの2幽幻ゆっくんがあらわれたつきひざ山口絢子かいこつ雪原あおい冬城衣たいた葉月ままこ9月の風ayainuひらいあかる碧野りふ月並変哲森風輝