お題：きみ
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- きみにしか見せない顔があることをたとえば散ったハナミズキとか
- バス停でキミの横顔八分の六拍子打つ鼓動が熱い
- きみのため出来ることとか少なくてただそばにいて話聴くだけ
- シロップを飲む飲まないは違っても みんな大好きみかんの缶詰
- 目の前におりてくる小さな蜘蛛よ君は救いの使者なのですか
- おもひでは十個パックの殻の中どれを割ってもきみしかゐない
- この楓リア王だよときみが言うフィナーレのごと燃える公園
- カフェラテの泡のハートがゆれる朝 きみの笑顔に溶けて消えそう
- ひと口を分けてよきみの人生のドーナツの穴みたいなとこを
- 靴紐を直すきみを待つ数秒の冬の風が手に集まって
- 日本茶をゆっくり飲んで君惜しむ言葉にすればたったひと言
- 冬ざれよ来い 君が居て蹴り上げたサッカー球が青空にある
- 選ばれたオレの手でなく綾鷹が 握る500ml冷めろと呪う
- 推しはかるグレ度・オシャレ度きみたちのピアスリングの穴の数だけ
- 人前で泣けなくなったきみのため真夜中に降る雨あたたかい
- トントンと命を刻み愛を盛る赦されるためキミを育む
- Googleの地図には正しく出てこない君らしい部屋ここで暮らそう
- もし君が化けてでるならお返しに不気味なくらい笑ってあげるよ
- キャラクター柄のパンツはもう嫌だ 六歳の君が大人になってく
- わが傘にきみの入り来てくちづけは偶然めいて必然めいて
- 目覚ましの電池がちょうど切れちゃって タンポポみたいなきみの言い訳
- すれ違いふと振り返るきみの目に映る私の色を知りたい
- 言葉には意味などないがただきみがここにいなくてとてもさびしい
- 雪道に含まれている「きみ」のこと春までかけて忘れていくね
- 草原をきみと歩けば草原はぼくらのためにある非日常
選歌した人
つきひざ十付はるのあおいキクラゲ三木絵糸たろう小手山房水雅佳翠さとうきいろayainuハウルの動く黒子藍彩にゃを葉山きらり